ガトーバスクと名物モノの重要性
本日のスイーツ: ガトーバスク by メゾンダーニ
厚めに伸ばしたアーモンド入りのクッキー生地にこの地方の特産品のひとつでダークチェリーの一種のスリーズ・ノワール(仏:cerise noire)を入れ、ローブリュー(ラウブル)と呼ばれる飾りをつけて焼いたものが正式なガトーバスクである。
ま、「要は大きめのクッキーにダークチェリーが入っているもの」をイメージしてもらえばその通りのものである。
これを看板メニューにしているのがメゾンダーニ。
いつも思うのだが、スイーツ屋の名前って覚えにくいのが本当に多い。
"MAISON D'AHNI"って書いてある看板見て、正確に読める人ってどれくらいいるのだろうか?
これだけでも大分損している気がするのだが。
ま、それはともかく、本日のスイーツはここのガトーバスク。
看板メニューだけあってうまい。
バターをしっかり使った正しい焼き菓子の味がする。
ただ、バターをしっかり使っているだけあって、お値段もかなりしっかりしている。
「大きめのクッキーにダークチェリーが入っているもの」と聞いて一個いくらを想像するだろうか?
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正解は一個450円。
ケーキなら分かるが焼き菓子でこの値段は攻めている。
まあ、美味しいんですが、それでも高い気がする。
にも関わらず、ちょい悪風のオヤジさんが続々と5-10個単位で箱買いしていく。
お盛んなことで何よりです。
・・ちょい悪風オヤジさん達のお盛んさ度合いはともかくとして、高い焼き菓子がまとまった数で売れるにはそれなりの理由がある。
- 高い菓子にカネを出す人が多そうなところに出店
(白金高輪の高級タワーマンションの前) - 箱や袋が高級ブランド的なオシャレなものにしてある。
特に「多数買うのが当然のような箱」を用意している。 - 手土産にしやすいような「語りやすいストーリー」を用意してある
(「美味しいケーキ買ってきたよ!」より「バスク地方に伝わる”ガトーバスク”っていう変わった焼き菓子を買ってきたよ!」の方が粋である)
・・てな背景からすると、ちょい悪風オヤジさんや、セレブマダム達が、
「家の近所でちょっと面白いバスク地方に伝わる”ガトーバスク”っていう焼き菓子を買ってきたよ!いや、そんな高いものじゃないけど、美味しいものだよ」
みたいなことを言いつつ手土産にするのが目に浮かぶ。
売り方、うまいね!
ま、いつも僕は2-3個しか買いませんが。
ところで、正直なところ、ケーキの完成度で言うと、その隣くらいにあるケーキ屋(パッション ドゥ ローズ)の方が上なのだが、そっちの方は”ガトーバスク”ほどの名物モノを確立できておらず、結果として使用頻度が下がってしまう。
名物モノがあると「あれ食べたい!」的な指名買いを喚起できて有利だよね、と思う次第です。
<本日の採点>
ガトーバスク by メゾンダーニ
名物モノの売り方がうまい度 ★★★★★
バターたっぷり正しい焼き菓子度 ★★★★
良さげな手土産を探している方は是非。